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2024 駐村作家


張瀚翔

  • 出生地:台湾
  • 居住日:2024/06/13-2024/07/03

作家紹介

国立東華大学華文文学研究所創作組卒業。芸術祭キュレーター、出版社編集者、UI/UXデザイナーを経て、現在はフリーランスとして活動。各種映画祭に参加。台北文学賞、鍾肇政文学賞、教育部文芸創作賞、中興湖文学賞、奇萊文学賞を受賞。著作に小説『波群延遲』がある。

居住者計画

短編小説「失業男子」の執筆計画は、1989年に水晶唱片主催の第三回台北新音楽祭で歌手・葉樹茵が歌った楽曲「失業男子」に呼応しています。この楽曲は後にアルバム『完全走調』に収録されました。同音楽祭では、史辰蘭も「発霉的饅頭」(腐ったマントウ)という失業ソングを制作しています。本小説では、「失業男子」の歌詞に登場する「張三」を架空の人物とし、葉樹茵、李欣芸、史辰蘭の創作活動を見守りつつ、同時に彼らにも見守られる様子を描いています。 1989年は台湾経済バブルの頂点であり、同年に「無殻蝸牛」(宿無しカタツムリ)運動が起こると、人々は自由社会における極度の貧富の格差を初めて体験し、物質と金銭を齷齪と追い求める様子は、まるで耳を塞ぎ、時代の流れの中で途方に暮れながらも猛スピードで進んでいるかのようでした。当時の民主運動は刑法100条の廃止を求めており、人々は自由を勝ち取ろうとしていましたが、米ソ冷戦や同年の天安門事件など、歴史は随時次の章に進んでしまう可能性があり、また遠くかつ制御不能な力によっていつでも破壊される可能性もありました。 果たして「失業」とは、その時代においてどのような価値基準や他者の期待に触れることになるのでしょうか。社会の価値観が衝突し続ける中で、生活の意味は徐々に崩壊していきます。「物質と金銭を追い求める」という自己を麻痺させる手段すら達成できない場合、この失業男子は「向き合わなければならない」人生の過程で、どのような台湾が見えるのでしょうか?

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