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2024 駐村作家


劉綺華

  • 出生地:香港
  • 居住日:2024/03/12-2024/03/26

作家紹介

香港中文大学中国語言及文学系、香港中文大学哲学系文学修士。香港教育大学中学教育の資格を得る。書籍編集者を経て、現在は執筆講座の講師を務める。著書に長編小説『失語』がある。本著は英米日の3カ国で版権が販売され、英米版は2024年に発売予定。2016年に香港で最も重要な文学賞「中文文学創作賞」小説部門最優秀賞を獲得。

居住者計画

今回のレジデンスでは、長編小説『我国』の第四部分を完成させる予定です。『我国』は極権的な未来の世界を描き、2人の主人公の心の歩みを通じて物語を展開していきます。男性主人公は完全に溶け込もうとする一方、女性主人公は永遠に向き合いたくないと考えていますが、どちらも不可能な側面を示しています。また、そこから自由、人間の本質、制約の中で如何に生きるか、人間と人工知能との衝突などについて探求していきます。第四部では、女性主人公史真と母親との衝突、および史真の変化を描写します。史真は反抗的で自由を求めていますが、母親は規範を望み、政府による安全保障を追求しています。幼い頃から史真と母親との関係には緊張が走り、誤解に満ちていましたが、極権主義の世界が崩壊する中で史真が母親を救う過程において、ついに母親の気持ちを共感することができ、また母親もある程度、娘の本心を理解することができるのです。母娘の絆は、ちょうど今回の滞在のテーマである「癒し」と呼応し、同時に、人間が国家や規範なしに生存できるのかどうかといった哲学的な問題にも取り組んでいます。

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