2023 駐村作家
邱常婷
- 出生地:桃園
- 居住日:2023/12/10-2023/12/29
作家紹介
邱常婷 Chiou Chang-Ting,国立東華大学華文所創作班の修士課程を卒業。その後友善書業合作社に勤め、国立台東大学児童文学研究所の博士班で学ぶ。過去に聯合文学小説新人賞の最優秀賞、教育部文芸創作賞、金車ファンタジー小説賞、林栄三文学賞などを受賞。さらに文化部芸術新秀補助、青年創作補助を獲得。小説『怪物之鄉(怪物の郷)』、『天鵝死去的日子(白鳥が死んだ日)』、『夢之國度碧西兒(夢の国ビシェル)』、『魔神仔樂園(魔神の子の楽園)』、『新神』、『哨譜』、を出版。最近では長編ファンタジー小説『獸靈之詩(獣霊の詩)』を出版。
居住者計画
計画のタイトルはイタロ・カルヴィーノ(Italo Calvino)『短編集むずかしい愛』から名付けた。『むずかしい愛』とは恐らく個人対個人の愛の難しさで、階級、性別、価値観、心・体・精神の状況、個人の財産、或いは日常生活の中のほんの些細な事が、愛が生まれるのを妨げているのかもしれない。また、ある女性がダメ男を愛せない、ある健常者が身体障がい者を愛せない、何かのタイプが個人の好みに合わないといったように、特定のグループに対する個人の愛の難しさかもしれない。実施方法は短編小説形式で展開し、約四千字程度の短編小説を執筆予定。あるロンドンの劇場で働く安子が、自分が一から書き直した「マクベス」のリハーサル中に演じたマクベス夫人の役の視点で、自身の男性グループに対する恐れや渇望に対する探求を描く。この恐れや渇望は一種の難しい愛にまとめられるかもしれない。それと同時に、主人公がよく夢の中でみる幻は、彼女の失った記憶ともう一つのトランスジェンダーに対する難しい愛を表している。この小説は作者の新作『獸靈之詩(獣霊の詩)』の番外編でもあるが、単独で読むこともできる。