2023 駐村作家
Rimuy
- 出生地:台灣雲林
- 居住日:2023/04/24-2023/05/23
作家紹介
ニュースの記事を執筆し、文学を通して人情を描き、イラストで伝説を語るRimuy。Rimuyというペンネームは以前に取材した方から授かったタイヤル族名で、愛らしい部族の人々が大霸尖山の山麓の上から同時にRimuyの歌を歌う。かつては新聞の取材で台湾各地を訪れ、その土地の風土や人情を深く探り、宗教や風習および現地ならではの文化を収集。それがきっかけで、記事に登場する人たちが何のためにこだわり、何が原因で心が落ち着かないのか、といった、ニュース記事には書かれない部分に興味を持つようになり、こうした人情味のある人々に引き付けられた作者は、幾度となく山や海や家や廟へと足を運び続けている。ただその場で直接耳を傾け、人々の信仰に満ちた表情を目にし、神のいる世界で生きるために。
居住者計画
3年間にわたる取材と観察を通して、作者は台湾の伝統民族特有の世界観を知りました。儀式性は至るところに存在しており、個人から家屋および村全体に至るまで、全てが神聖な空間となっているのです。それを知った私は、台湾社会の現代化の背後で犠牲になったものについて考えさせられ、失われた様々な伝統文化の中の、価値を有する象徴世界を描くようになりました。今回の滞在制作では、こうした観察を散文形式で記録していきたいと考えています。「渓流を渡り峰を越え、台湾をめぐる」1人の記者による田畑や野原の観察ノート。ニュースの記事の中には収めきれない、口や耳を用いて語り継がれてきた聖なる軌跡や、心の琴線を、この度の滞在制作を通して凝縮・転化させて散文に変え、ある伝説の世界を繰り広げます。また、台湾語文化の関連領域に焦点を絞って、台湾語で記載された一次資料を中心に取材し、今回も台湾語と中国語の文章による執筆を試みて、話し言葉で物語を伝承する現地の方法に近づけたいと考えています。また、滞在制作イベントを通じて、参加者の皆様と一緒に台湾各地に伝わる物語を形にしていくことができればと願っています。