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2023 駐村作家


蔡明璇

  • 出生地:嘉義市
  • 居住日:2023/01/31-2023/02/20

作家紹介

台湾師範大学で歴史学の学士号を取得後、台北芸術大学演劇学科で脚本創作を専攻し、修士課程を修める。後にフランスへ留学し、パリ第8大学の演劇学科で博士号を取得する。現在は嘉義木都光影劇場の団長および米克斯芸術空間の共同創設者、台南後壁高校のフランス語兼任講師を務める。劇団の中では脚本・監督・制作・企画・編集などを担当。また、一児の母でもある。 これまでに『家は北緯23.5度上にある』、『台湾のクレープ』、『父親の時間割表』、『紅毛船さようなら』などの作品を発表しており、創作とは、忘れ去られた貴重な文化財のかけらを探し求め続け、光や影や物を通じてそれらを表現し、人の心を動かす素敵なストーリーを物語ることであると考えている。

居住者計画

『海賊伝説』を執筆する計画です。これは今回の滞在制作テーマ「伝説」に呼応したという部分もありますが、昨年9月に馬祖で開催された滞在制作イベントで、馬祖が独特な地理的位置を有していることや、長年にわたり多くの漁民や海上貿易の商人や海賊たちが生活の糧を得るためにこの地を訪れ、馬祖海域の隠された金銀財宝や東引郷の犁麦大王、および海賊が出資して天后宮を建設した伝説など、様々な奇談や逸話が残されていることを知ったこともきっかけとなっています。実はこれらの物語は全て、18世紀に中国東南沿海部や台湾の海域を中心に活動し、当時「海皇帝」呼ばれて一大勢力を築いた海賊「蔡牽」に関連しています。彼はかつて淡水で政権を立て、自らを「鎮海威武王」と称していましたが、彼の伴侶である呂氏も非常に有名な女海賊で、人々に「蔡牽媽(蔡牽の奥さん)」と呼ばれており、蔡牽の海上における覇権は実質上彼女が握っていたと言われています。そして蔡牽媽が戦場で戦死すると、蔡牽が率いる海賊王国は求心力のあるリーダーを失い、徐々に崩壊していきました。『海賊伝説』は木都光影劇場の上演形式を引き継ぎ、まず「唸歌(弾き語り)」から始まります。そして物語の語り手と人形が同時に壇上に立って、海賊の蔡牽と蔡牽媽の波乱万丈の人生を演じるのです。「海洋の子」である私たち子孫がこうした歴史上の物語をどのように受け取るか、私はその部分に非常に興味があります。また、創作活動を通してこの物語を書き出していくということは、私が台湾というアイデンティティ追求するための1つの実践でもあるのです。

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