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2022 駐村作家


ローラ・ワン

  • 出生地:米国(ミズーリ州セントルイス)
  • 居住日:2022/12/20-2023/01/02

作家紹介

米国(ミズーリ州セントルイス市) Laura Wang(中国語名:王学慧)1988年に米国で生まれる。スワースモア・カレッジで化学を専攻、サラ・ローレンス・カレッジのクリエイティブ・ライティング修士(MFA)。現在、台北の国際高校で化学の教鞭を執り、クリエイティブ・ライティングを通し人間と環境間の関係を模索する。創作はリアリズムからSFまで多岐にわたる。化学の教師として五感で体験する証拠を通して周囲の環境を認識する必要があると信じる。作者として人類は文学を通して想像力と同情心を発掘すべきだとの信念を持つ。多面的な人物を描くことで現代社会の多様性を描こうとする。

居住者計画

台湾に来て1年になります。新たな香りを嗅ぎ、新たな音を聞き、新たな空気を吸うという経験を通し、私の五感には変化が生じました。生け花を約半年学びましたが、周りの環境への見方が変わりました。今では木のラインや春の花の香りなどに注意するようになりました。アメリカでは生け花というアートに触れることはめったになかったため、外国人である私は二重の挑戦に直面することになりました。一つは、生け花に関する語彙や手法がわからなかったこと、もう一つは花が何の花かさえわからなかったことです。でもわからなかったからこそ学ぶことも多かったと言えます。花の名前がなかなか覚えられなかったため、五感を研ぎ澄ませて、花の色、香り、感触などの特徴に注意し覚えるようにしました。こうして「知らないこと」はむしろ強みになることがわかりました。「挑戦」は「学習のチャンス」になるからです。レジデンス期間には台北で生け花を学んだ経験に関するエッセイを書きたいと思います。このささやかな経験を通し、「移住」というテーマをよりよく理解できるようになりました。著作を通し、ニューヨークから台北に移住した私の経験と1947年に上海からニューヨークに移住した祖父の経験を比較してみようと思います。掘り下げるべき課題としては、新しい環境で外国語を使ってどうやって過ごすか、家族のいない場所で新たなコミュニティに溶け込み、自分の立ち位置をどうやって造りだすか、などがあります。花が花器に生けられると、新たな境地が生み出されます。同様に新たな環境に移住することでこれまでになかった角度から物事を見ることができます。言語面の挑戦として、生け花のために私は新たな語彙を創作する必要がありました。同様に、移民も文化を越えた新たなコミュニティを作り出すことになります。文章を通しこれらの課題を整理してみたいと考えています。これらのテーマについて簡単なメモを取ってはいますが、エッセイの創作は始めていません。レジデンス期間には1500から2000ワードの英語のエッセイを書き、それを編集したいと思います。平日には、過去の経験、台湾文学ベースの環境、週末のイベントの経験など毎日少しずつ執筆したいと考えています。テーマとするのは、「移住と新たな文化への適応と発展」なので上に挙げた交流の経験は著作の大切なリソースとなるからです。イベントが終了した後、必ず自分の感想とともに観客が使った語彙や意見を記録します。それに基づき「言語と文化の超越」という課題に基づいた詩をつくりたいと思います。最後の週末にはレジデンスで書いた文章を整理して雑誌に投稿する予定です。

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